結論:ホロライブを運営するカバー(5253)の次の決算発表(2027年3月期 第2四半期=中間決算)は、2026年11月11日(水)の予定です。カバーは9月24日に上期の営業利益予想を19.3億円から35億円へ大きく上方修正しましたが、通期予想を据え置いたため、翌日の株価は8%下落しました。11月11日の最大の注目点は、通期予想を引き上げるかどうかです。発表日の根拠、ここまでの業績、当日に確認したいポイント、株価のシナリオを順に整理します。
この記事はANYCOLORとカバー、四半期決算は減益なのになぜ株価が上がった?の続報で、決算発表の「予習編」です。Webエンジニアとして働きFP3級を持つ筆者の視点で公開情報を整理するもので、特定の投資判断を勧めるものではありません。
カバーの次回決算発表日は2026年11月11日(水)
株探の「決算発表予定日」では、カバーの次回決算は2026年11月11日となっています。カバーは例年、取引時間が終わったあとの15時30分以降に決算を発表しています(1Q決算の発表も「15時30分以降を予定」と告知されていました)。そのため、株価が反応するのは翌日の11月12日(木)からになります。
なお、2026年10月13日時点では、カバー公式サイトのIRカレンダーにはまだ中間決算の日付が載っていません。日付が変わる可能性もあるので、直前に公式のIRカレンダーも確認してください。過去の中間決算は、毎年11月の第2週に発表されています。
| 決算期 | 中間決算の発表日 |
| 2025年3月期 | 2024年11月12日(火) |
| 2026年3月期 | 2025年11月11日(火) |
| 2027年3月期(今回) | 2026年11月11日(水)予定 |
おさらい:1Q(2026年4〜6月)は減収減益
2026年8月12日に発表された1Q決算は、売上高88.25億円(前年同期比▲8.3%)、営業利益6.51億円(同▲33.0%)と減収減益でした。サービス分野別に見ると、伸びた分野と落ちた分野がはっきり分かれています。
| 分野 | 1Q売上高 | 前年同期比 |
| 配信/コンテンツ | 20.92億円 | ▲3.8% |
| ライブ/イベント | 9.08億円 | +109.6% |
| マーチャンダイジング(グッズ) | 45.46億円 | ▲22.1% |
| ライセンス/タイアップ | 12.79億円 | +8.2% |
| 合計 | 88.25億円 | ▲8.3% |
売上の半分以上を占めるグッズが2割強減ったことが、減収のいちばんの要因です。決算短信では、その理由として次の3つを挙げています。
- トレーディングカードの新商品の発売スケジュールや商品構成が、前年と違った
- 卒業したタレントの関連商品の売上がなくなった
- EC商品の製造・販売の仕組みを切り替えている途中で、欠品や品揃え不足が起きた
9月24日、上期の利益予想を大幅に上方修正
1Qは減益でしたが、カバーは2026年9月24日に上期(4〜9月)の業績予想を修正しました。売上高は据え置き、利益だけを大きく引き上げています。
| 上期(4〜9月) | 修正前の予想 | 修正後の予想 | 前年の上期実績 |
| 売上高 | 222.70億円 | 222.70億円(据え置き) | 217.54億円 |
| 営業利益 | 19.30億円 | 35.00億円(+81.3%) | 26.66億円 |
| 経常利益 | 19.30億円 | 34.00億円(+76.2%) | 26.74億円 |
| 中間純利益 | 13.50億円 | 23.00億円(+70.4%) | 19.99億円 |
修正の理由として、会社は次の2点を挙げています。
- 共同運営するスマートフォンゲーム「hololive Dreams」(2026年7月サービス開始)が想定を上回る初速となり、利益率の高いライセンス・タイアップ領域が計画を上回った
- グッズは1Qの在庫不足や商品投入時期の影響で計画どおりに進まず、売上の構成が変わった結果、費用も当初計画を下回った
修正後の上期営業利益35億円は、前年の上期(26.66億円)を約31%上回る水準です。1Qの減益から一転して、上期全体では増益になる見通しに変わりました。一方で、通期予想(売上高513.5億円、営業利益70億円)は据え置きです。会社は「上期の上振れ要因が下期に続くかどうかを、現時点では合理的に見積もれないため」と説明しています。
会社予想から逆算した数字
修正後の上期予想から1Qの実績を引くと、2Q(7〜9月)単体で会社が見込んでいる数字がわかります。さらに、通期予想から上期予想を引くと、下期(10〜3月)の見込みも計算できます。
| 期間 | 売上高 | 営業利益 |
| 2Q単体(7〜9月)の見込み | 134.45億円(+10.9%) | 28.49億円(+68.2%) |
| 下期(10〜3月)の見込み | 290.80億円(+5.5%) | 35.00億円(▲20.3%) |
ここで目を引くのが下期の営業利益です。通期予想を据え置いたままだと、上期で通期予想の半分(35億円)を稼ぎ、下期は前年より約20%少ない利益しか見込んでいない計算になります。上期の勢いが下期も続くなら、通期予想は控えめすぎることになります。これが、11月11日に通期予想が引き上げられるかどうかに注目が集まる理由です。
11月11日の決算で確認したい3つのポイント
① 通期予想を引き上げるか
いちばんの注目点です。9月の修正時、会社は「足元の事業環境および業績動向は総じて堅調」「修正が必要になった場合は速やかに公表する」ともコメントしています。中間決算で上期の着地が見えた段階で、通期予想をどう扱うかが株価の反応を大きく左右しそうです。参考までに、前期(2026年3月期)は期初に売上高525億円・営業利益82億円を予想していましたが、実績は売上高493.3億円・営業利益70.56億円で、どちらも予想に届きませんでした。会社が慎重な予想を出しやすくなっている背景として、頭に入れておきたい点です。
② 上期の営業利益が修正後の35億円に届いたか
上方修正は9月24日、つまり上期が終わる直前に出されたものなので、大きく外れる可能性は低いと考えられます。それでも、35億円をさらに上回って着地するのか、ぎりぎりなのかで受け止め方は変わります。あわせて、「hololive Dreams」をはじめとするライセンス・タイアップの伸びが、一時的な初速なのか、続きそうなのかを説明資料で確認したいところです。
③ グッズ(マーチャンダイジング)は回復したか
上方修正は利益だけで、売上高は据え置きでした。会社自身が「グッズは期初計画とは異なる進捗」と認めているので、売上の半分を占めるグッズが2Qにどこまで戻ったかは、下期の見通しにも直結します。中間決算の資料は「上期の累計」で書かれるので、2Q単体の数字は「上期実績-1Q実績」で計算して確認するのがおすすめです。
株価はどうなる?決算後のシナリオ
足元の株価と、過去の決算での値動き
カバーの株価は、2026年10月13日の終値で1,594円です。過去1年の高値は1,975円(2025年10月14日)、安値は1,141円(2026年6月26日)で、PERは約20.7倍、PBRは約5.85倍です。
過去の決算発表のあと、翌営業日の株価は次のように動きました。
| 発表内容 | 発表日 | 翌営業日の終値 |
| 2026年3月期 中間決算 | 2025年11月11日 | 1,707円(▲10.5%) |
| 2026年3月期 3Q決算 | 2026年2月12日 | 1,575円(+1.8%) |
| 2026年3月期 本決算 | 2026年5月14日 | 1,466円(+2.3%) |
| 2027年3月期 1Q決算 | 2026年8月12日 | 1,526円(▲6.4%) |
| 上期予想の上方修正 | 2026年9月24日 | 1,480円(▲8.4%) |
特徴的なのは、9月24日の上方修正のあとでも株価が8%下がったことです。利益予想が8割も引き上げられたのに売られたのは、市場が「上期の数字」よりも「通期予想が据え置かれたこと」と「グッズの売上が計画に届いていないこと」を重く見たためと報じられています。カバーの株価は、目先の数字よりも、この先の見通しに反応しやすいと言えます。
3つのシナリオ
ここまでの材料をもとに、決算翌日(11月12日)の株価の反応を3つのシナリオに分けて整理します。
| シナリオ | 決算の内容 | 株価の反応(筆者の見立て) |
| A:上振れ | 通期予想を上方修正。グッズにも回復の兆し | 上昇しやすい。9月の修正後に「通期据え置き」で売られた分が見直される可能性がある |
| B:想定どおり | 上期は修正後の予想どおり。通期予想は据え置き | 反応は限定的か、小幅な下落。9月24日と同じ構図で、上期の好調はすでに株価に織り込まれている |
| C:下振れ | 上期が修正後の予想に届かない、またはグッズの不振が続き下期の見通しを弱める | 大きく下落しやすい。前年の中間決算(▲10.5%)のような反応もありうる |
筆者の見立て
筆者は、分かれ目は「通期予想の扱い」にあると見ています。上期の上方修正が期末の直前だったことを考えると、Cのように上期の数字が大きく外れる可能性は低そうです。一方で、会社が「上振れの継続性を精査中」としている以上、中間決算の時点で通期を引き上げる(A)か、もう少し様子を見て据え置く(B)かは五分五分ではないでしょうか。仮にBになっても、下期の営業利益が前年比2割減という控えめな計画のままなら、その後の3Q決算(2027年2月ごろ)で上方修正される余地は残ります。
ただし、株価は決算の内容だけでなく、市場全体の地合いや、タレントの卒業・新施策といったニュースにも左右されます。上のシナリオは考え方の整理として参考にしてください。
まとめ
- カバー(5253)の次回決算(中間決算)は2026年11月11日(水)の予定。例年は15時30分以降に発表されるので、株価の反応は翌12日から
- 1Qは減収減益だったが、9月24日に上期の営業利益予想を19.3億円→35億円へ上方修正。ただし通期予想は据え置き
- 通期予想のままだと、下期の営業利益は前年比約20%減の計算。通期予想を引き上げるかが最大の注目点
- 過去の決算では、上方修正でも株価が8%下がるなど「見通し」に反応しやすい。シナリオは「通期上方修正なら上昇、据え置きなら限定的、下振れなら大きく下落」
決算が発表されたら、1Q決算の記事とVTuber企業3社の決算比較に結果を追記し、この記事のシナリオの答え合わせもする予定です。
免責事項
本記事は公開情報をもとにした情報提供・会計知識の解説を目的としたものであり、特定の銘柄の売買や投資行動を推奨するものではありません。株価のシナリオは筆者個人の見立てで、将来の株価を予測・保証するものではありません。数値は決算短信・適時開示などをもとにしており、2Q単体・下期の数字は筆者の計算によるものです。決算発表日は変更される可能性があります。投資に関する最終的な判断は、必ずご自身の責任において行ってください。詳しくはプライバシーポリシーをご覧ください。


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