柔軟を始めたら、心までほぐれていった話 〜股関節・腿の柔軟で感じた変化〜

その他

休職中のある日、ふと「体が硬いな」と感じて、柔軟(ストレッチ)を始めてみた。
学生の頃から前屈をしても手が床につかないほどの体の硬さ。運動習慣もほとんどなく、仕事中心の生活で、気づけば肩こりや腰の張りも常にあるような状態だった。
そんな自分を少しでも変えたくて、「この機会に体を柔らかくしてみよう」と思い立ったのがきっかけだった。もともとヨガマットを買ってはいたものの物置に放置していたのでいいタイミングかなと。ちなみに筆者はぶ厚めのヨガマットが好きです。

最初は「ただの暇つぶし」くらいの気持ちだったが、続けていくうちに、体だけでなく心の状態にも良い変化が表れてきた。
ここでは、柔軟がうつやメンタル面にどう効果を与えるのか、そして股関節や腿の柔軟性を高めるためのおすすめストレッチ、最適なタイミングについて紹介していきたい。


柔軟はうつの回復にも効果的だった

柔軟というと、運動やヨガの一部という印象を持たれるかもしれない。
けれど、実際には心の健康にも大きな影響を与えてくれる。
研究でも、軽い運動やストレッチによって「セロトニン」「エンドルフィン」「ドーパミン」などの幸せホルモンが分泌され、気分が安定しやすくなることが知られている。

実際、柔軟をしているときは呼吸が深くなり、肩の力が抜けていくのがわかる。
息を吐くたびに、頭の中のモヤモヤも一緒に流れていくような感覚がある。
特に夜、お風呂あがりにゆっくり体を伸ばすと、心も体も同時に「休息モード」に切り替わっていくのが実感できる。

うつ状態のときは、どうしても体も心も固まってしまいがちだ。
柔軟によって筋肉の緊張がほぐれると、副交感神経が優位になり、「安心感」「落ち着き」が戻ってくる。
まさに「体をゆるめると心もゆるむ」という言葉がぴったりだと思う。


股関節・腿の柔軟で得られる3つの効果

特におすすめなのが、「股関節」と「腿(もも)」の柔軟だ。
これらの部位を伸ばすと、姿勢が整い、血流がよくなり、冷えやむくみの改善にもつながる。
また、股関節は「自律神経の要」とも呼ばれる部分で、ここを柔らかくすることはメンタル面にも良い影響を与える。

① バタフライストレッチ(内ももを伸ばす)

  • 床に座り、足の裏同士を合わせてあぐらのように座る。
  • 背筋を伸ばし、息を吐きながら上体を前に倒す。
  • 両肘で軽く太もも内側を押し、20〜30秒キープ。

👉 背中を丸めず、骨盤を前に倒す意識で。
続けると、開脚や前屈の動きがスムーズになる。


② もも裏ストレッチ(ハムストリングス)

  • 片足を前に伸ばし、もう片方を曲げて内ももにくっつける。
  • 背筋を伸ばし、息を吐きながら前屈。
  • 太ももの裏の伸びを感じながら、20〜30秒キープ。

👉 「お尻から倒れる」ように意識するとより効果的。
デスクワークで縮こまりやすい筋肉を伸ばせる。


③ 腸腰筋ストレッチ(股関節の前側)

  • 右足を前、左膝を床につけてランジ姿勢。
  • 背筋を伸ばして腰を前に押し出し、20〜30秒キープ。
  • 反対側も同様に。

👉 骨盤のゆがみを整え、腰痛予防にも効果あり。


④ 仰向け抱え込みストレッチ(腰・お尻・太もも裏)

  • 仰向けで片膝を胸に引き寄せる。
  • 太もも裏〜お尻が伸びるのを感じながら20〜30秒キープ。
  • 左右交互に行う。

👉 腰の緊張をやわらげ、寝る前に行うと深い眠りに入りやすい。


柔軟に最適なタイミング

柔軟の効果を最大化するには、「いつ行うか」も大切だ。
時間帯によって、体の状態が全く違うからだ。

タイミング向いている柔軟理由
朝(起きた直後)軽い動的ストレッチ寝ている間に固まった筋肉をほぐす。体を目覚めさせる効果。
お風呂あがり(夜)静的ストレッチ筋肉が温まり、柔軟性が最も高い。睡眠の質も上がる。
運動・散歩後静的ストレッチ疲労物質を流し、筋肉の回復と柔軟性アップに最適。

特におすすめなのは「お風呂あがり」。
体温が高く、筋肉もゆるんでいるため、無理せず深い伸びが得られる。
夜のストレッチ習慣は、心を落ち着かせて自然な眠りを導く効果もある。


柔軟を続けるコツ

柔軟は、1回で劇的に体が変わるものではない。
でも、続けるほど少しずつ変化を感じられる。

  • 1日10〜15分でOK。
  • 痛みを我慢せず、「気持ちいい」と感じる範囲で。
  • 深呼吸を意識しながら行うと、副交感神経が働いてリラックス効果が倍増。
  • 柔軟前後にコップ1杯の水を飲むと、血流がさらに良くなる。

柔軟の良いところは、特別な道具や場所がいらないこと。
畳の上でも、ヨガマットの上でも、好きな音楽を流しながらでもできる。
「自分をケアしている」感覚が、心に小さな安心を与えてくれるのだと思う。


柔軟で「自分を取り戻す」

柔軟を始めてから、少しずつ気持ちが軽くなっていくのを感じた。
体の動きがスムーズになると、日常の動作も楽になる。
その「楽になった」という感覚が、自分への小さな自信につながる。

うつや気分の落ち込みのときは、どうしても「何もしたくない」気持ちになる。
そんなときこそ、深呼吸してゆっくり体を伸ばすだけでもいい。
無理に頑張らず、ただ自分の体の声を聞くこと。
それが、回復への一歩になる。

柔軟は「心の筋トレ」でもある。
少しずつ、焦らず、自分のペースで続けていこう。
体をゆるめることが、心をゆるめることにつながるから。


最後に

柔軟を通じて、自分の体と心を見つめ直す時間を持てるようになったのは、休職期間の大きな収穫だった。
これからも「1日10分、自分をいたわる時間」として柔軟を続けていきたい。

もし同じように心身の不調を感じている人がいたら、ぜひ試してみてほしい。
ストレッチは薬ではないけれど、確かに心を癒やす力がある。

そして何より——
焦らず、自分のペースで進んでいこう。

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