高市早苗政権で“国策×成長”物色再燃? 防衛・半導体・インフラ注目銘柄分析

資産形成

はじめに:政策転換の期待と市場マインド

高市早苗氏が自民党総裁に就任したことで、近く首相就任の可能性が濃厚になりました。これを受けて市場には「国策が再び株式市場のドライバーになるかもしれない」という期待感が強く根付き始めています。

前回記事で挙げた政策キーワード(防衛強化、積極財政、半導体支援、エネルギー自立、規制緩和、円安誘導など)を念頭に、ここでは具体的な銘柄を交えて、どこに資金が向かうかを改めてシナリオ形式で整理します。


注目銘柄ピックアップ(仮説編)

以下は、「政策風向き × 技術競争力 × 収益耐性」の観点から、目を向けたい銘柄の仮説例です。


防衛・安全保障セクター

政策面で防衛力強化・安全保障重視が打ち出されれば、既存実績と構造強みを持つ企業が優位になります。

銘柄コード注目ポイントリスク・留意点
三菱重工業7011航空機、潜水艦、防衛装備全体を手がける“防衛御三家”の旗艦。既に防衛省との契約実績も高い。 かぶリッジ+2株探+2規模が大きいため市場インパクトが限定的、分野別の収益寄与がカギ
川崎重工業7012自衛艦艇・航空機・潜水艦分野への納入実績があり、契約額も増加傾向。 SBISec+2かりんの株レポ+2民間事業の動向と国際競争リスクに左右されやすい
IHI7013ジェットエンジンや宇宙関連機器にも強みを持つ。防衛関連+先端技術の複合プレーヤー。 かりんの株レポ+2KABUMO〖カブモ〗+2宇宙やエネルギー部門の影響も受けやすく、事業ポートフォリオの変動性あり
三菱電機6503レーダー、通信制御、電子センサー分野での納入実績。防衛分野の「目・耳」的分野で存在感。 株探+3かぶリッジ+3KABUMO〖カブモ〗+3総合電機事業全体の業況悪化リスクが波及する可能性
NEC6701情報通信、指揮統制システム、サイバー防衛系システムに強み。デジタル×防衛分野で注目。 資産運用の 1st STEP+1防衛以外の事業(通信・IT)部門リスクにも注意
日本製鋼所5631大型鍛鋼品、ミサイル発射装置、砲器部門など“ハード系”防衛装備分野での実績。受注増にも転じている。 かりんの株レポ+1製造リスク、部材コスト上昇リスク、景況感変動が響きやすい

これら銘柄は「国策防衛」が注目された際に資金が流れ込みやすいですが、どこまで業績と契約実績が追随できるかが見極めポイントとなります。


半導体・先端技術セクター

高市政権が半導体・先端技術支援を重視するなら、上流~中流工程に強みを持つ企業が注目を浴びやすくなります。

銘柄コード注目ポイントリスク・留意点
東京エレクトロン8035半導体製造装置で世界シェアを持つ。コータ/デベロッパ装置では高シェア。 日経予想+4三菱UFJ eスマート証券+4かぶリッジ+4設備投資サイクルの波動性、為替変動リスク
レーザーテック6920マスク欠陥検査装置で強み。前工程検査部分でのポジション。 三菱UFJ eスマート証券+1検査機器市場の需要変化、競合技術リスク
ディスコ6146ウエハ切断・研削装置において世界シェアを持つ。AI・高性能デバイス需要と親和性。 ウォール・ストリート・ジャーナル+3三菱UFJ eスマート証券+3かりんの株レポ+3サイクル性に敏感、部品・素材コストに影響を受けやすい
SCREEN ホールディングス7735ウエハ洗浄装置で世界シェア。直近の業績も強く、AI・ロジック半導体需要増に追随。 トウシル 楽天証券の投資情報メディア+3IG+3IG+3顧客依存リスク、海外拠点リスク、競合プレーヤー動向
信越化学工業4063シリコンウエハ(素材)分野で世界トップ級。下流の装置・材料連携が強み。 三菱UFJ eスマート証券+2投資のコンシェルジュ+2原材料コスト変動、需要サイクル性
SUMCO3436ウエハ素材分野でシェアを持つ。半導体拡張需要に対応可能。 三菱UFJ eスマート証券+1価格下落リスク、設備増強コスト圧迫

特に、生成AIや高性能チップ需要、次世代プロセス(2nm、1.6nmなど)対応が進む中で、「装置+素材」のシナジーを持つ銘柄が注目されやすいという見方も、証券レポートで語られ始めています。 トウシル 楽天証券の投資情報メディア


市場予想・シナリオ(具体入込版)

以下のようなシナリオをベースに、読者に「仮説を持つ」視点を提供できます。

シナリオA:国策追い風一気に吹くケース

  • 高市政権が比較的早期に防衛・半導体支援策を打ち出す
  • 防衛関連:三菱重工・川崎重工・IHIあたりに先行マネー流入 → 他防衛銘柄も波及
  • 半導体関連:東京エレクトロン、ディスコ、SCREENが設備投資追い風を受け、業績加速期待
  • 為替面では円安傾向を見越した輸出型銘柄の選好も同時進行
  • 日経平均は+10~15 %程度の上昇余地、セクター差異の中でモメンタム株に資金が集まる

シナリオB:期待先行 → リスク調整入りケース

  • 就任直後はポジティブなムードに反応するも、法案成立・予算配分で足踏み
  • 防衛銘柄などは出尽くし感が出やすく、一部で調整警戒
  • 半導体景況が足元で頭打ち・景気鈍化懸念が強まれば、グロース・設備投資分野からの資金引きも
  • この場合、利益確定売り・値動きの鈍い大型株への資金シフト現象も起こりやすい

シナリオC:外部逆風+政策期待失速ケース

  • 国際情勢リスク(米中摩擦、為替ショック、金利上昇)の逆流
  • 財政拡張による国債不安、金利急上昇がマクロを圧迫
  • 成長セクター・ハイリスク株が大きく売られる場面もあり得る
  • このシナリオではディフェンシブ株、キャッシュポジション保持、逆張り戦略などが有効な局面も

投資家が押さえるべきポイント

  1. 政策実行のスピードと規模
     発表より実行が伴うかどうかが鍵。
  2. 財政・金利リスク
     国債増発や金利上昇による株価圧迫も考慮。
  3. 外部環境の変化
     為替・地政学リスクは避けて通れない。
  4. 業績の裏付け
     テーマ性だけでなく、決算内容を必ず確認。

まとめ:新政権相場の行方

高市政権の誕生は、短期的には「国策期待」で株式市場を押し上げる材料となり得ます。
防衛・半導体・インフラの三本柱は、今後も中期的に注目されるテーマでしょう。

ただし、過去の“政策相場”同様、期待先行の相場には冷静な見極めが必要です。政策が実際に企業業績へ結びつくまでは時間がかかる場合もあります。


【重要な注意事項】

本記事は投資判断の参考情報を目的としたものであり、特定銘柄の売買を推奨するものではありません。
投資は自己責任で行ってください。 株式市場には価格変動リスク・流動性リスク・為替リスクなどが存在します。
投資を行う際は、最新の企業開示・証券会社レポート・公的データ等を必ずご確認ください。

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