ANYCOLOR(東証プライム上場、証券コード5032)は、人気VTuberグループ「にじさんじ」を運営する会社です。2022年の上場以降、株価は投資家だけでなくファンからも注目を集めてきました。私自身、株主になった今、所属タレントのコンプライアンス違反や、主力メンバーのにじさんじ脱退がとても企業価値を低くしてしまうと考えています。
そこで、所属タレントの方にANYCOLORの株を取得してもらうことで、利害の一致をさせて、にじさんじ自体の企業価値を一緒に高められないのかと考えました。
そういった点から「所属タレント自身が株を買うことはできないのか?」という疑問を抱きました。もしタレントが株主になれば、彼らの言動や活動にも大きな意識変化が生まれるのではないかと考えたのです。
タレントは個人事業主だから株を買える?
にじさんじ所属のVTuberは、会社員ではなく個人事業主や法人化したクリエイターとして活動しています。
この立場であれば、投資資金を自分で管理している限り、一般の投資家と同じように株式を購入することは可能です。法人化しているタレントなら、法人名義で株式を持つこともできます。
つまり、制度上は「タレントがANYCOLOR株を保有すること」自体に大きな障壁はありません。
インサイダー取引のリスク
ただし、ここで問題になるのがインサイダー取引規制です。
タレントは日常的に未公開情報に接する可能性が高い立場にあります。例えば新規プロジェクトの立ち上げ、海外展開の予定、グッズ販売の売上見込みなど、これらは株価に影響を与えうる重要情報です。
こうした情報を知った上で売買すれば、法律上は違法行為にあたります。
したがって、タレントが「自由に売買する」のは現実的に難しいのが実情です。

ANYCOLORのストックオプション制度
では、現状のANYCOLORにタレントが株主になる仕組みはあるのでしょうか。
開示資料を見ると、ANYCOLORはすでに役員・従業員を対象としたストックオプション制度(新株予約権)を導入しています。
これは会社の成長に貢献した社員に、将来的に株を安く取得できる権利を与える制度です。
ただし、タレントが対象となっているかどうかは明記されておらず、現時点では従業員や役員に限定されていると考えられます。

タレントが株主になれば、価値を守る意識が強まる
ここからが重要なポイントです。
もし所属タレントが株を保有すれば、単に「演者」として活動するだけでなく、株主として会社の価値を守り高める立場にもなります。
株を持つということは、会社の成長=自分の利益につながるということです。
つまり、タレント自身が発言や行動に責任を持ち、炎上や価値を毀損するような言動を避けるインセンティブが自然に働きます。
逆に、ファンを増やし、コンテンツを広げ、にじさんじ全体のブランドを高める行動は、タレント個人にとっても株主としての利益をもたらすことになります。
これはまさに「タレントと会社の利害を一致させる」仕組みであり、他のエンタメ企業にはない強力な成長戦略になり得ます。
株主総会での提案の方向性
株主総会で建設的に提案するなら、
「タレントを対象とした株式インセンティブ制度の導入」
が現実的な選択肢となります。
例えば:
- 一定の活動実績を持つタレントに、ストックオプションや譲渡制限付株式(RSU)を付与する
- 株価や業績の向上とタレントの活動を直接リンクさせる
- 長期的に安定して活動を続けてもらう仕組みをつくる
こうした仕組みが導入されれば、タレントと会社の関係性は「契約者と運営」から「株主と企業」というより強固なものへと変化します。
まとめ
- にじさんじタレントは個人事業主だから、株を買うこと自体は制度上可能。
- ただしインサイダー取引規制があるため、自由な売買には大きな制約がある。
- ANYCOLORには従業員向けストックオプション制度があるが、タレントは対象外の可能性が高い。
- タレントが株主になれば、会社の価値を守り、高める行動が自身の利益にも直結する。
- 株主総会で提案するなら、タレント向けの株式インセンティブ制度が現実的。
ANYCOLORの成長はタレントの活躍に直結しています。
「タレント自身が株主となり、価値を高めようと努力する構造」をつくることは、にじさんじのブランド力をさらに強固にし、ファンや投資家にとっても安心できる未来を築く第一歩になるのではないでしょうか。
株主総会は来年7月で当分先の話ですが、他に気になる点あればまとめておいて、株主総会で質問してみたいです。

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