最近の投資界隈では「投資するならS&P500!」という雰囲気が広がっています。確かに米国株はテクノロジー企業を中心に圧倒的な成長を遂げており、世界経済を牽引しているのは事実です。
しかし、本当にS&P500だけでいいのでしょうか?ここで改めて、日本株投資の魅力を見直してみたいと思います。
1. 為替リスクなしで投資できる
海外株式に投資する場合、避けられないのが為替リスクです。実際に過去20年間のドル円チャートを見ると、1ドル=75円から150円まで大きく変動しています。
たとえば、米国株で年率7%のリターンを得ても、円高が進めばその利益が相殺されてしまうケースもあります。日本株なら円建てで完結するため、生活通貨である円を守りながら投資が可能です。

上記は過去5年間の日本の投資信託(TOPIX)(青色線)とS&P500(黄色線)と、為替も含めたS&P500(水色線)の株価の遷移です。こう見るとTOPIXとS&P500に関して、あまり違いはないですが、為替の影響で昨今の株価の急騰があるように見えます。逆に、為替の影響でガクッと株価が下がってしまうことも考えられます。
2. 東証は世界でも有数の巨大市場
「米国に比べて日本市場は小さい」と思われがちですが、実際には東京証券取引所の時価総額は約7兆ドル(2024年時点)。これはニューヨーク証券取引所(NYSE)、NASDAQ、Shanghai Stock Exchange (SSE)に次ぐ世界第4位の規模です。
トヨタ、ソニー、キーエンスといったグローバル企業はもちろん、独自の技術や内需に強みを持つ中堅企業も豊富に存在しています。米国だけに投資するのではなく、日本市場も組み合わせることでポートフォリオの多様性が高まります。
世界主要証券取引所の時価総額割合

上記の通り、日本も世界の中で上位の市場です。市場が小さいから投資しないというのは少し違和感があります。(米国と比べると圧倒的に差がありますが。。。)
3. 米国株との組み合わせでボラティリティを低減
米国株と日本株は、必ずしも同じ値動きをしません。米国景気が減速しても、日本株が相対的に強い場面もあります。
実際に過去10年のデータを見ても、S&P500とTOPIXの相関係数は約0.7前後。完全に連動していないため、両者を組み合わせることで値動きが分散され、リスクを抑えられます。

Bloomberg の記事「Japan’s Stocks Are Less Dependent on US Share Moves …」より。日本株(TOPIX等)が米国株との連動性を低めてきているという内容を示唆するチャートの一部です。 相関関係が-1日近づくほど、お互いのボラティリティを打ち消してくれます。
4.日本株投資に潜むリスク
もちろん、日本株投資にもリスクはあります。
- 低成長リスク:少子高齢化や人口減少に伴う内需縮小
- 政策依存度:金融緩和・為替政策に株価が左右されやすい
- ガバナンス課題:改善傾向にはあるものの、依然として米国企業に比べて効率性に劣る企業も存在
それでも、為替リスクを避けつつ、米国株との組み合わせでリスク分散ができる点は、日本株投資の大きな魅力です。
「S&P500一択」という風潮に流されるのではなく、日本市場のポテンシャルにも改めて注目してみる価値は十分にあるでしょう。また、日本人として日本企業に投資することでより良い日本にしていきたいという気持ちも必要かもしれません。
最後に気持ちの話になってしまった。。。

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