株式投資をしていると「PBR」という言葉をよく耳にします。特に最近では、東証(東京証券取引所)が「PBR1倍割れ企業」に対して改善を強く促していることから、投資家の注目度が一気に高まりました。この記事では、PBRの基礎から、なぜ東証が問題視しているのか、そして投資家にとってのチャンスについて解説します。
PBRとは?
PBR(株価純資産倍率)とは、株価が企業の純資産に対して何倍で評価されているかを示す指標です。
計算式は以下の通りです。
PBR = 株価 ÷ 1株あたり純資産(BPS)
- PBR=1倍:株価と純資産が同じ水準
- PBR<1倍:資産よりも安く評価されている「割安株」
- PBR>1倍:成長期待などから資産以上の評価を受けている
要はその企業が持つ資産よりも株価が割安かどうかということです。
例えば5000円で売られている財布の中に10000円入っていれば、5000円払って財布を買って、中の10000円だけ抜き取りたくないですか?この状態がPBR1倍割れです。
5000円で売られている財布に5000円が入っている。これはPBR1倍です。(財布自体に価値はないものとみなしています)
5000円で売られている財布に1000円が入っている。これはPBRが1倍以上で、資産に対して相当以上の評価を受けていることがわかります。
東証が「PBR1倍割れ」を指摘している背景
東京証券取引所は2023年以降、上場企業に対して「資本効率を高め、株主にとって魅力的な企業になるよう改善努力を求める」と明言しました。
特に、PBR1倍を大きく下回ったままの企業に対しては、次のような課題があると見なされています。
- 経営資源が有効に活用されていない
- 株主からの評価が低いまま放置されている
- 国際的に見て、日本株の魅力が劣ってしまう
このため東証は、各企業に対して「PBR改善に向けた具体的な取り組み」を公表するよう強く求めています。
PBR改善に向けた企業の取り組みと投資チャンス
PBRが1倍を下回る企業は、次のような戦略で改善を目指すことが増えています。
- 自社株買いや増配など、株主還元策の強化
- 不採算事業の整理や成長分野への資本集中
- 経営効率の改善によるROE(自己資本利益率)の向上
こうした取り組みが実を結べば、「PBR1倍割れ」が解消され、株価上昇につながる可能性があります。
投資家にとっては、
- PBRが低く放置されている企業
- かつ、経営陣が改善に積極的である企業
を見つけることが、大きなリターンを狙うチャンスになるのです。
まとめ
- PBRは株価と純資産の関係を表す指標
- 東証はPBR1倍割れ企業に改善を求めている
- 改善努力が進めば、株価上昇の可能性がある
これから投資を始める人は、「PBR1倍割れ銘柄」をチェックし、その企業が改善に動いているかどうかを見極めると良いでしょう。

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